マーラー「復活」 ニューヨークフィル
今日見た演奏はこちら
Concert for New York [Blu-ray] [Import]
- アーティスト: New York Philharmonic,Alan Gil
- 出版社/メーカー: Accentus
- 発売日: 2011/11/21
- メディア: Blu-ray
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指導していただいている先生から貸していただいた、
マーラー「復活」をニューヨークフィルが演奏したDVD。
これの演奏された日は、9/11。そう、あの911のテロがあったあの日に演奏されたものである。
911で被害を受けた人の追悼、復活を意識して選ばれたプログラムだと感じている。
(アラン・ギルバート(指揮者)の言葉をきちんと訳せればもっと正しい意味をつかめると思うが、そこは私の英語力のなさを恨む・・・。)
DVDの始まりは、外での観覧者の映像から始まる。
こういう演奏会を外から見れる仕組みは日本にはないから取り入れてもらえると、もっと気軽にクラシックに入れるのではないのだろうか。
そして、時間となり指揮者が入ってきて、一曲目「アメリカ国歌」。
これを考えた人は、とてもセンスがある人なんだろうなと感じさせられる。
なぜかというと、どの演奏スタイルでも映えるしかっこよくなるし、その音楽のジャンルが生かされるからである。
日本の国歌も悪いとは言わないが、こういう華やかさもあってもよかったのではないかと感じる。まぁ、厳かな感じが日本人らしいともいえるが。
そして、アラン・ギルバートのお話があり、待望のマーラーの復活。
弦のスピードのある駆け上がりから始まる。
この時点で、緊張感というのか空気感を感じる演奏である。
ニューヨークフィルの演奏は、CDで聴くことしかしていなかったが管の印象が良く残るオーケストラと思っていた。
けど、DVDで見ることで弦の人たちの集中力・姿勢を目視できて改めて、弦も特別にすごいんだと、このバンドの凄さを感じた。
でも、やっぱりと言ったらいいのか、金管メンバーの演奏がかっこいい。
その中でも
・トランペットのフィル・スミス
・トロンボーンのジョセフ・アレッシ
この二人は、私の中では神と呼ぶレベルに愛している二人なので、ソロ・ソリの場面では耳を集中させて聞いたが、期待を裏切らない極上のフレーズ、音楽を聞かせてくれた。
そのほかの方々(名前がわからなくて本当に申し訳ない。)のソロも聞いたが、みなさんフレーズの中での歌いかた、感情の動かし方が目で見ることでより感じることができた。DVDの良さは演奏者を見ることにつながるのかと感じれた。
メンバーの印象は、古参ばっかりと勝手に思っていたが、古参と若手が入り混じる次世代につながる・つなげるメンバー構成という印象であった。
大きいソロは古参がやるが、それを若手が学んで今後に生かしていくんだろうな・・・。次世代も楽しみだ。
個人的な話をするが、マーラー「復活」で好きなシーンがある。
3番目は、トランペット・トロンボーンのデュオのシーンである。
ここをスミスとアレッシが行うというシーンは目をひん剥いてみて、聴いていた。
やはり最高。印象的だったのは、二人とも同じフレーズでとらえているのかブレスの位置が同じであったところ。長年付き添ってきた夫婦のようなものだから、自然と合うのだろうか。
超一流のフレーズの行く先が同じとはなんて美しいのだろうか・・・。
2番目は、トロンボーンとチューバのコラールから始まるあのシーン。
いままで解放されていたシーンから一転、神の声ともいえるトロンボーンとそれの幅を広げるチューバのコラール、金管好きなら全員が聴いてほしい極上のコラール。
この部分だが、アレッシはもちろん、天才マーキー(今はボストンフィルに代わってしまったが)が上下で挟みながら演奏されるコラールは最高級の仕上がり。
そこからメンバーが広がっていき、静寂になる手前のトランペットのhiCの鮮明な感じは、さすがとしか言いようがない。
このシーンだけで何度にやけたか・・・。
1番目は、合唱が加わったシーンから最後まで向かうまでのシーン。
ここまで待たせたな合唱部隊よ・・・!!
と言わせんばかりのエネルギーを出してくれて、一瞬盛り上げてソリストにつなぐ、この声が聞こえたら終わりが近づいてきたのかと感じるポイントである。
個人的に、別動隊(バンダ)・合唱など本体と別の舞台があるのはとても好きである。
理由としては、そこまで広げて音楽を考えている作曲者ってすごいという点である。
そして、別動隊がいる演奏に裏切られるものはないという考えからでもある。
一撃必殺的な存在をしており、確実に効果を発するからだ。
祝典序曲。
アイーダ。
ローマの松。
プラネット・アース。
個人的に演奏してきたものだが、どれもバンダですら美しいものばかりである。
時間を見つけてこれらの感想もかいて行きたい。
話が飛んでしまったが、合唱が入った後の話に戻る。
合唱が入ってからのシーンは、音楽の波が自分を包み通り過ぎていくエネルギーを感じれる、という印象である。
本体の演奏ももちろん、合唱の演奏も加わり、あちらこちらからエネルギーが集まり、終わりに向かい、エネルギーを高め切って終わる。
マーラーという最高の作曲者の技術力を感じる一曲だと私は感じる。
演奏は最強であるのはもちろんであるが、印象的だったのは外にいる方々が、体を揺らしていたり、たくさんの人がマーラーを知っている聴き方(これはDVDを見てもらわないと表現しにくいが・・・)をしており、マーラーという音楽を知っている人が多いことが印象的であった。
自分もオーケストラに興味を持ち出して数年ではあるが、このDVDの演奏はとても私にいい影響を与えてくれたと感じる。
ただ1つ残念なことが・・・!!
音響機器の力では、ニューヨークフィルの演奏のすばらしさの100分の1も伝わってないんだろうなと感じてしまった。
音響機器の強化もしたいが、生演奏も聞きに行きたい・・・。
あぁ、ニューヨークフィルよ、マーラー「復活」の演奏をしに日本に来てくれないか・・・と感じる毎日である。